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社会をより良くする方法を大学生と考えませんか?WATCH 2024にて、上映会+トークイベントを開催します!

社会をより良くする方法を大学生と考えませんか?WATCH 2024にて、上映会+トークイベントを開催します!

JVTAの学生インターンが中心となって作り上げるオンラインイベント「WATCH 2024: For a Sustainable Future(以下、WATCH 2024)」は、国内外の大学生がSDGsをテーマにしたドキュメンタリー作品の字幕翻訳を手掛け、その上映とトークセッションなどを行うイベントだ。3回目の実施となる今回は、初めて日本発のドキュメンタリー映画に英語字幕を付けて上映する。4月から始まった翻訳作業も佳境に入り、学生たちは翻訳作業に加えて、ゲストを招いたトークイベントやインタビュー動画の制作にも取り掛かっている。

上映作品のひとつ、『こころの通訳者たち What a Wonderful World』は、舞台手話通訳を目の見えない人に伝えるための音声ガイドづくりに挑戦した人々を追ったドキュメンタリーである。インターン生は字幕制作過程でただ言葉を翻訳するだけでなく、目が見えない・見えづらい人や耳が聞こえない・聞こえづらい人とのコミュニケーションに対する理解を深めてきた。

その経験を生かし、作品上映に加えてトークイベントの開催もする。「Leave No One Behind ~すべての人にやさしい世界を実現するために~」と題した本イベントは、SDGsにおける国際目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」に焦点を当てたイベントだ。『こころの通訳者たち What a Wonderful World』の英語字幕付き上映に加え、舞台演劇に特化した手話通訳技術に関する調査を行っている日本手話通訳学会の萩原彩子氏とインターン生の対談を実施。映画上映と対談を通して、舞台手話通訳の現場での工夫や困難、そして手話通訳者とろう者双方の視点から考えられる課題について深掘りし、すべての人が住みやすい社会を実現するための一助となる取り組みを考えていく。

本イベントは、インターン生の中から有志で集まったイベント企画チームが中心となって開催される。イベント企画チームでは企画の提案からゲストへの打診、大学内での告知準備などを自分達で進行。翻訳作業と並行して準備を進めている。今回、イベント企画チームの一人である東京外国語大学の山口紗和さん(修士1年)にイベントについて話を聞いた。

イベント企画チームに参加を決めた理由を教えてください。

私がイベント企画チームに参加を決めた理由は、WATCH 2024インターン生が一丸となって字幕翻訳に取り組んだ『こころの通訳者たち』を、より多くの人に届けたいと思ったからです。恥ずかしながら、本インターンに参加するまで、作品の内容はおろか、ユニバーサルシアターのような取り組みがあることについても知りませんでした。しかし、作品を何度も見返し、翻訳作業にあたるうちに、見えない人、聞こえない人、車いすの人から小さな子どもまで、“すべての人”に演劇を届けようとする舞台手話通訳者の方々の熱意に惹き込まれ、この物語をできるだけたくさんの人に見てもらいたいと思うようになりました。

「Leave No One Behind ~すべての人にやさしい世界を実現するために~」の開催が決まるまで、イベント企画チームではどのような話し合いがありましたか?

『こころの通訳者たち』のプロデューサー、平塚千穂子さんをはじめ、作品に出演されていた方にお話を伺ってはどうかという意見がありました。あるいは、大学の手話通訳サークルの学生や、手話に関する授業をされている先生に登壇を依頼してみてはどうかという提案もありました。しかしながら、作品そのものに焦点を当てるだけでなく、外部から専門家の方をお招きして普遍的なお話を伺うことで、WATCH 2024の重要なトピックであるSDGsをより身近に感じることができるのではないかという結論に至り、今回のイベント内容に決まりました。

翻訳作業と並行してのイベント準備はいかがですか?

とにかく今自分にできるベストを尽くそうという思いで、WATCH 2024に取り組んできました。そのため、『こころの通訳者たち』の翻訳に加え、短編上映作品『映画のヒカリ』の翻訳チームリーダー、PRチーム、イベント企画チームと、ほぼ全ての活動に携わっていて、慌ただしい日々が続いています。しかしながら、忙しさの分得られる達成感は大きく、1つのプロジェクトがまとまるたび、嬉しい気持ちでいっぱいになります。イベント企画チームでは現在、「Leave No One Behind ~すべての人にやさしい世界を実現するために~」の詳細を詰めているところです。チームメンバーと協力し合って、東京外国語大学内での広報依頼、イベントポスターの作成、ゲストスピーカーとのやり取りなど、着々と準備を進めています。それぞれ忙しい中、7月4日の開催に向けて一緒に動いてくれているメンバーのみんなに、心から感謝しています。


本イベントに興味を持っている方々に向け、ぜひ注目してほしいポイントを教えてください。

『こころの通訳者たち』のタイトルの英語訳、『Interpreters Beyond Boundaries』は、実は私が提案したものです。本作品を最後までご覧いただくと、どのような思いからこの訳出が生まれたかが伝わるのではないかと思います。また、作品上映の後には、筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター助教の萩原彩子さんとインターン生の対談を予定しています。萩原さんは、日本手話通訳学会に所属されている手話通訳者で、『こころの通訳者たち』の劇中ドキュメンタリー、『ようこそ舞台手話通訳の世界へ』の監修を務めた方でもあります。研究者・手話通訳者として現場で活躍されている萩原さんにお話を伺いつつ、「すべての人にやさしい社会」とはどういった場であるべきか、またその実現のために、私たちには具体的に何ができるか、会場全体で考える機会とすべく奮闘しています。たくさんの方のご来場を、心よりお待ちしています。


WATCH 2024では上記イベントに加え、短編上映作品に関連したインタビュー動画も配信する。インタビュー「映画がつなぐ人と人〜移動映画館の活動に光を当てて〜」は、短編の上映作品である『映画のヒカリ』(2021)の主人公であるNPO法人World Theater Project理事の教来石小織さん、教来石さんによるカンボジアでの移動映画館で作品を見たことで人生が変わったニウ・サンデーさん、そして『映画のヒカリ』の監督である内田英恵さんにインターン生がインタビューし、『映画のヒカリ』撮影裏話やドキュメンタリー映画の魅力、映画がもたらす社会への影響などについて聞く。企画に携わる東京外国語大学の新妻みなもさん(4年)は、本インタビューについて次のように話す。

「私は『映画のヒカリ』を見て、映画は人と人を繋いでくれるのだということを強く実感しました。WATCH 2024はSDGsに焦点を当てたイベントであり、『誰ひとり取り残されない社会をつくる』というSDGsの目標を考えた時、映画も人と人を繋げるという点でこの目標達成に貢献できると感じました。そうした映画の魅力を知ってもらいたいと思い、映画がもたらす繋がりに焦点を当てたインタビューを企画しました。また、映画の持つそのような魅力について、映画にメインで登場するお二人や監督に直接お話を伺いたいと思い、ご登壇いただく運びとなりました。
『映画のヒカリ』や今回のインタビューには、映画を楽しむ子どもたちや映画を愛する方々が登場します。映画を見るという体験の魅力を皆様に再発見して頂けたら幸いです。」(新妻さん)


『映画のヒカリ』インタビュー「映画がつなぐ人と人〜移動映画館の活動に光を当てて〜」は、WATCH 2024のオンライン上映申込者は誰でも無料で視聴可能。また、もうひとつの短編上映作品『KIMONOルネッサンス』のプロデューサーへのインタビューも公開予定だ。

WATCH 2024の上映作品は、長編ドキュメンタリー『こころの通訳者たち What a Wonderful World』、短編ドキュメンタリー『映画のヒカリ』(2021)と『KIMONOルネッサンス』(2023年)の3作品。インターン参加の学生たちは翻訳前の下調べや作品解釈から始まり、実際の翻訳から字幕としての推敲まで、約2ヶ月を費やして字幕の完成を目指している。この字幕制作の様子は、インターン生による活動レポートでも紹介されている。学生レポートはWATCH 2024の公式ウェブサイトで読むことができる。

身体的な違いや国の違いを乗り越え、すべての人にとってやさしい世界を実現するために、私たち一人ひとりがどんなことをできるのか?これからの社会を担う学生たちと一緒に、ぜひこの機会に一緒に考えてみてはいかがだろうか?上映会やイベントの詳細と共にぜひチェックを。


■イベント情報
「Leave No One Behind ~すべての人にやさしい世界を実現するために~」

開催日時:2024年7月4日(木)17:20~19:45(16:50開場)
会場:東京外国語大学 プロメテウス・ホール(東京都府中市)
※同時にZoomでのライブ配信も実施。
参加費:会場・オンライン共に無料
その他:要事前申し込み(2024年7月3日締切 ※日本時間)

【当日の内容】

『こころの通訳者たち What a Wonderful World』上映(上映時間94分)
※ライブ配信参加者にはZoomの画面共有機能を使用して上映
『こころの通訳者たち What a Wonderful World』監督・山田礼於氏からのビデオメッセージ
「すべての人にやさしい世界を実現するためには?」~萩原彩子氏×「WATCH 2024」インターン生対談~



【ゲスト】萩原彩子

筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 助教/手話通訳士

舞台鑑賞好きが高じて、演劇における手話通訳(舞台手話通訳)に関する研究をはじめる。映画『こころの通訳者たち』劇中ドキュメンタリー『ようこそ舞台手話通訳の世界へ』監修。日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)事務局。


■『映画のヒカリ』インタビュー「映画がつなぐ人と人〜移動映画館の活動に光を当てて〜」
出演者:教来石小織(NPO法人World Theater Project理事)、内田英恵(『映画のヒカリ』監督)、ニウ・サンデー(『映画のヒカリ』出演者)
SDGsが目指す「誰一人取り残されない社会」の実現に向けて、映画はその力をどのように発揮することができるのか。映画がもたらす人と人の繋がりに焦点を当てた『映画のヒカリ』を通じて考える。


各詳細は▶WATCH 2024公式ウェブサイトから
本件に関するプレスリリースは▶こちらから


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