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スタントマンは耐死仕様の殺人ドライバー! カート・ラッセルin『デス・プルーフ in グラインドハウス』

スタントマンは耐死仕様の殺人ドライバー! カート・ラッセルin『デス・プルーフ in グラインドハウス』
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【最近の私】Netflixで配信のノルウェー製ドラマ『ミステリーバス』が北欧版『世にも奇妙な物語』みたいで面白かったです。

 
俳優が似たような役を演じていると、観客から「また同じ役か」というイメージを持たれやすい。だから、俳優は普段と違った、変化球ともいえるキャラクターを演じたりする。今回は、カート・ラッセルが『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年)で扮した殺人ドライバーを紹介したい。

 

『デス・プルーフ』の舞台は、テキサス。あるバーに女性グループが久々に集い、飲みながら恋愛話やいろいろな話題で盛り上がっていた。そんな彼女たちを、見つめている男がいた。この男は、スタントマン・マイク(カート・ラッセル)。自身の車のボンネットに骸骨のマークをペイントしている。数々の映画でスタントマンを務めてきたマイクは、自分がこれまで出演した作品について女性たちに語る。だが若い女性たちに「そんな映画知らな~い」と言われ、ムッとするマイク。おじさんが若い女性に自慢話をしたらフラれるような、笑える場面です。こんな感じで、映画の前半はガールズトークと、スタントマンおじさんの話が延々と続きます。だが、マイクは実は殺人鬼。バーで犠牲者となる若い女の子を探していたのだった。ここから映画は一気にシフトチェンジし、ホラー映画へと雰囲気が変わっていく。

 

マイクの愛車は、耐死仕様(デス・プルーフ)となっていて、スタントマンが車を運転して危険なアクション場面に挑む時に使うような特別車である。酔った勢いでバーを出る女性たち。マイクは愛車に乗り、暗闇で女性たちを待ち伏せていた。車を走らせながら話に夢中になっているガールズだち。そこに、反対方向からフルスピードでマイクが突っ込んでくる!女性たちは壮絶な最期を迎える。マイクも重症を負ったが、デス・プルーフ車のおかげで死は免れた。

 

ホラー映画では、殺人鬼がナイフやチェーンソーを持って殺人を繰り返す。だが本作でマイクが使うのは、特別仕様の車である。凶器を自動車にしたのが、この映画のユニークな点である。デビッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』(1996年)で、自動車事故に性的興奮を覚える人物が登場していた。マイクも自身が傷ついても殺人を犯すという、変質的な面が垣間見られる。

 

カート・ラッセルは1951年マサチューセッツ州生まれ。10代から子役として映画に出演する。『ニューヨーク1997』(1981年)や『遊星からの物体X』(1982年)などのジョン・カーペンター監督作に出演。『バックドラフト』(1991年)では消防士、『デッドフォール』(1989年)では刑事など、タフな役が多い。

 

『デス・プルーフ』のクエンティン・タランティーノ監督が”物体X”“ニューヨーク”のファンで、彼を起用したという。のちの『ヘイトフル・エイト』(2015年)でも、タランティーノ監督はカートを再び起用している。カートはそれまで悪役(しかも殺人犯)を演じたことはないので、そんな意外なキャラクターを演じさせるのも、映画狂のタランティーノらしいチョイスといえる。

 

テキサスでの殺人から14カ月後、舞台はテネシー州に移る。この土地に、映画業界で働く4く人の女性たちが集まり、休暇を過ごそうとしていた。そして、ここにもマイクの姿があった。後半では、女性4人組とマイクの死闘となるが、そこからさらに意外な展開になる。その内容はここでは言えないので、未見の方はぜひ観てほしいです。

 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

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