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アカデミー賞監督バリー・ジェンキンスのデビュー作 翻訳の舞台裏

アカデミー賞監督バリー・ジェンキンスのデビュー作 翻訳の舞台裏
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2019年9月7日(土)から21日(土)まで、東京・国立映画アーカイブで開催の第41回『ぴあフィルムフェスティバル』(PFF)。招待作品部門「巨匠たちのファーストステップ」では、『ムーンライト』(2016年)が、第89回アカデミー賞作品賞など3部門で受賞したバリー・ジェンキンス監督のデビュー作『メランコリーの妙薬(Medicine for Melancholy)』が日本初上映されます。この映画の字幕を、修了生・田中智佳子さんが手がけました。巨匠のデビュー作は、田中さんにどう映ったのか? 翻訳者のインタビューをお届けします。
 

 

田中さん●『メランコリーの妙薬』はサンフランシスコを舞台に、出会ったばかりの男女が織りなす恋の物語です。ブラッドベリの短編小説にインスパイアされた作品ですが、それを知らなくても十分に楽しめる魅力にあふれています。また、自分の中にある“無意識の偏見”にも気づかされる作品ではないかと思います。
 

情報の取捨選択を適切に行うために
字幕翻訳をしていて、特に印象的だったのが、2人がサンフランシスコの街を散歩するシーンです。映像に力がある場面なので、会話や画面情報の字幕が邪魔にならないよう、流れを分断してしまわないよう気を遣いました。
 

街の開発について語られる(あるいは画面情報として出る)場面は、限られた字数の中で地名や政策に関する情報をどのように入れ込むべきか、頭を悩ませました。サンフランシスコの地理や歴史に関する事実確認を積み重ねることで、情報の取捨選択を適切に行えるようにし、最終的には視聴者の目線で確認することを心がけました。
 

本作は『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督、初の長編作品です。
 


 

社会問題や事件を描くのではなく、日常を通して差別や格差にスポットライトを当てているところや、主人公がアイデンティティーを模索していくさまには、監督“らしさ”がすでに表れているのではと思います。音楽の効果的な使い方もすてきです。また、色彩が変わる場面があるのですが、そこは見どころではないでしょうか。
 

『メランコリーの妙薬』の翻訳を経て、長編作品にもっと携わりたいと感じました。1つの作品に様々なジャンルの情報が出てきますし、全体のバランスを取りつつ訳していく作業は、非常に勉強になるからです。単館系と言われる映画が以前から好きですが、社会的マイノリティーや困難な立場におかれた人に目を向けたドラマはもちろん、コメディータッチの作品にも興味があります。また、サンフランシスコを訪れてみたくなりました。
 

◆PFFぴあフィルムフェスティバル
2019年9月7日(土)~21日(土)
国立映画アーカイブにて開催
公式サイト:https://pff.jp/41st/
 

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