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UNHCR親善大使 MIYAVIさんのモルドバ訪問動画を字幕でサポート

UNHCR親善大使 MIYAVIさんのモルドバ訪問動画を字幕でサポート
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UNHCR JapanのYouTubeチャンネルで、UNHCR親善大使 MIYAVIさんのモルドバ訪問の様子が公開されている。JVTAはこの動画の日本語字幕を担当、修了生の星加菜保子さんが手がけた。JVTAはこれまでもUNHCRの活動に翻訳で協力し、難民映画祭の上映作品や、UNHCRの活動や難民について学ぶ動画の字幕や吹き替えを担当してきた。星加さんも2022年の難民映画祭で特別上映された長編ドキュメンタリー『グレート・グリーン・ウォール~アフリカの未来をつなぐ緑の長城』の字幕を手がけ、難民支援に関する知識を深めた。 

 

MIYAVIさんは、“サムライギタリスト”として世界から高い評価を受けているアーティスト。2022年のNHK紅白歌合戦に「THE LAST ROCKSTARS」のメンバーとして出場したほか、現在公開中の映画『ファミリア』に出演するなど多彩に活躍している。今回公開された動画では、2022年6月、「世界難民の日」の直前に、モルドバを訪れ、ウクライナから避難してきた人たちと交流する姿を追っている。 

◆翻訳前にMIYAVIさんの活動をリサーチ
オリジナルの音声は、すべてMIYAVIさんが自身の言葉として英語で話しているもの。日本語の字幕をつけるにあたっては、ファンの人が見てもMIYAVIさんの言葉として違和感のないトーンにすることが必須となる。字幕を手がけた星加さんは、翻訳の前にUNHCRが公開している動画を含め、MIYAVIさんが出演しているものを一通り調べ、字幕のトーンや口調を確認したという。 

「すでに報じられているニュースやインタビュー記事にも目を通しました。UNHCR親善大使としての活動や、これまでに語られた内容、ミュージシャンとして難民支援にかける思いなどを、映像や記事からくみとり、情報を蓄積していく感覚でした。ラジオなどでも、この訪問のことをお話されていて、『あのシーンはそういう場面の切り取りだったか!』と気づかされることもありました。」(星加さん) 

※MIYAVIさんのUNHCR親善大使の活動はこちら 

◆“It’s really painful to see.”の真意は?
今回の動画の字幕では、MIYAVIさんが日本語で実際に話しているような表現を心がけたと星加さんは話す。これまで公開されている映像から話し方などを把握し、MIYAVIさんだったらどう表現するだろうかと考えながら、自然な日本語になるよう意識したという。 

「実際にお話しされている場面では、難しい単語はあまり使わず、多くの方にとって理解しやすい英語で話されていますが、シンプルであるがゆえに訳出が難しい部分もありました。例えば冒頭のセリフで、ウクライナの状況を“It’s really painful to see.”と表現されていますが、当初は“see”という言葉にひきずられ、『見るのがつらい』『見るに堪えない』といった表現が思い浮かびました。ですが、今もつらく苦しい思いをしている人たちがいる状況で、MIYAVIさんが、このような表現をするだろうかと考えた時に、おのずと答えが出た気がします。最終的には、『明らかに不条理で心が痛みます』という字幕になりました」。(星加さん) 

◆短いシーンの連続を訳すうえで意識したポイントは…
約3分の動画には予告編のように、さまざまなシーンが断片的に収められている。それぞれの詳細が描かれているわけではないので、発言の意味を推し量るのが難しい場面もあったという。また、シーンの切り替えが多い場合、カット変わりに合わせてスポッティング(ハコぎり)をするため、使用できる文字数が、実際よりも少なくなるという難しさもある。 

「短いシーンの連続で構成されている映像は、ともすれば、まとまりのない印象を与えかねないので、いくつか意識したことがあります。まずは、映像と字幕がリンクするよう心がけ、流れとつながりを作るということ。次に、映像に込められたメッセージを、的確に伝えるための言葉選びをすること。最後に、それぞれの場面の背景を可能な限り調べ、また想像を巡らせることで、MIYAVIさんの思いに寄り添うことを大切にしました。」(星加さん) 

◆支援の第一歩は現実を知ること
2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、約1年。世界の難民の数は増え続け、紛争や迫害で故郷を追われた人たちは、日本の人口にほぼ近い、1億人を超えている。先行きの見えない今も、現地では冬の厳しい寒さの中で電力を絶たれるなど厳しい状況に置かれている。 

「ウクライナから避難を強いられた人たちが、隣国モルドバにある難民キャンプで生活する姿、とりわけ子どもたちの笑顔に胸を打たれる方も多いと思います。不当な戦争によって多くの難民が生まれ、苦しい現実はなかなか変わらない。それでも、子どもたちがボールを追いかけ、はしゃぎ、歌う様子に、少しだけ救われ希望を感じるのは、私だけではないと思います。子どもの笑顔や音楽の力は偉大だと、強く感じます。難民支援の形はそれぞれですが、まずは世界で起きている現実を知ること、そこから始まるのではないでしょうか。今もつらい思いをしている人たちを直接抱きしめ、言葉をかけることはできなくても、映像を通して支援の輪が広がり、それがいつか彼らの元に届くことを願っています。」(星加さん) 

JVTAは2022年に、ウクライナ語字幕をつけた日本アニメを世界に向けて上映する「J-Anime Stream for Ukraine」を開催。ウクライナ人学生と日本人学生計23名が字幕制作やイベントの運営に参加した。この動画で現状を知り、それぞれができる形で支援を考えていきたい。 

【関連記事】
・故郷を追われた人を守り続けて70年 UNHCRの活動をJVTAはサポートしています
https://www.jvta.net/mtc/who-we-are-unhcr70/

・【字幕・吹き替えでサポート】UNHCRのアニメーション動画で難民問題を学ぶ
https://www.jvta.net/tyo/unhcr-animation-movie/

・【第17回難民映画祭 特別先行上映会に参加】 気候変動で荒廃した土地にグレート・グリーン・ウォールを!
https://www.jvta.net/tyo/2022unhcr-will2live-ggw/

・【第17回難民映画祭】今年はオンライン配信とリアルイベントのハイブリッドで開催
https://www.jvta.net/tyo/2022unhcr-will2live-2/

・【国連UNHCR協会 中村恵さんに聞く】 緒方貞子さんのバトンを引き継ぐ 今私たちにできる難民支援とは?
https://www.jvta.net/tyo/summer2022-unhcr-r/

・「J-Anime Stream for Ukraine」 公式サイト
http://stream.jvtacademy.com/ 

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