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【フィンランド映画祭】 レセプションで翻訳者が監督と対面!

【フィンランド映画祭】 レセプションで翻訳者が監督と対面!
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渋谷のユーロスペースで開催のフィンランド映画祭。JVTAは毎年この映画祭を字幕制作でサポート、今年も全5作品のうち、4作品の日本語字幕を修了生が手がけています。(※『ネイチャー・シンフォニー』はナレーションおよび台詞がないため字幕がありません)。フィンランド大使館で行われたレセプションには、字幕を手がけた修了生、上田明子さん、土岐美佳さん、本間絵里香さんとJVTAスタッフが参加させていただきました。
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会場には、上映作品『ランド・オブ・ホープ』のマルック・ポロネン監督が来場。この作品の字幕を手がけた修了生・本間 絵里香さんが監督とお話しすることができました。

 
レセプションに登壇したマルック・ポロネン監督は、今回初来日できた喜びを語りました。監督にとって生涯でベスト10の映画の中に日本の3作品(宮崎駿監督の『紅の豚』黒澤明監督の『生きる』『七人の侍』)が入っているそうです。
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「『ランド・オブ・ホープ』はフィンランドがソ連に敗戦した第二次世界大戦を背景にしたラブストーリーです。敗戦によってフィンランドはソ連に国土の一部を譲渡しなければならなくなり、カレリア地方の住民4万4千人に移住が強いられます。原題の『Oma maa』は我が土地という意味です。終戦後、帰還兵に土地が分け与えられ、再建の農地開拓が始まりました。この作品では主人公アンニとヴェイッコが未来に向けて力を合わせることで深まる愛を描きたかった。この作品には国民が助け合うことでフィンランドが再建された喜びが沢山描かれています。アリガトウ」

 


 
◆日本語字幕翻訳を手がけた本間絵里香さんのコメント

40年のキャリアを持ち、フィンランドの巨匠と称されるポロネン監督ですが、とても気さくでサンタクロースのような優しい雰囲気の溢れる方でした!
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まず監督がおっしゃったのは、主演女優オーナ・アイロラの演技の素晴らしさでした。セリフや演技のうまさだけでなく、顔や体つき、醸し出す雰囲気まで、まるで本当に戦後を生きる人のように見えたと大絶賛でした。またぜひ一緒にお仕事したい女優さんだそうです。実は彼女、同じく今年のフィンランド映画祭で上映された『AURORA』にも出演されているのですが、全く雰囲気が違い驚きました。監督の絶賛も納得です。本作では、当時開拓に人生をかけた女性のたくましさや芯の強さ、凛とした魅力が感じられます。そのため、私も翻訳時には、感情をあらわにする場面はストレートに表現しながらも、凛とした品の良さは失わないよう言葉づかいに注意を払いました。ちなみに本作で、フィンランドのアカデミー賞にあたる「Jussi賞」で主演女優賞を受賞しています。監督のオーナへの絶賛は、私も翻訳する際に作品に関するリサーチの中で読んでいたのですが、実際にお会いして直に聞けたのは感慨深いものがありました。監督のお話を伺って、役どころは違いますが『コールド マウンテン』のレニー・ゼルウィガーを思い出しました。
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※『ランド・オブ・ホープ』より

 
そして、監督が映画を作る上で大切にしているとおっしゃっていたのが音楽です。どこでどの曲を使うかはもちろんですが、大事なのはその音楽の始まりと終わりのタイミング。1秒早すぎても遅すぎてもいけない、ここぞというタイミングがあるそうです。どこというのは説明できないフィーリングの域だそうですが、それが本作でもすごく効いているのだろうなと思いました。山の中が舞台なので、映像の背景が壮大でドラマチックなのですが、歌や音楽が絶妙に織り込まれていて、さらに物語を盛り上げています。本作のクライマックスで使われているのはチャイコフスキー。窓を開けると草原が広がり、夫婦を結びつけた愛馬が寄ってくるというとても美しいシーンを、音楽がさらに引き立てています。監督は、「映画にはクラシックは欠かせない存在。普段はクラシックを聴かない人でも、映画の中ではそれを受け入れ、楽しんでいる。面白いよね」と笑っていらっしゃいました。私もあまりにも自然に受け入れて気にもしていませんでしたが、本当にその通りですね。
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※『ランド・オブ・ホープ』より

 
監督はソ連との国境に近い田舎の方のご出身だそうです。夏休みには山にこもって湖畔で釣りをするなど、禅のように穏やかに過ごし、自然に親しまれているとのこと。幼い頃からずっと自然に触れ、その素晴らしさをよく知っていたことが、本作につながったのかもしれません。映像が本当に壮大で美しく、素晴らしいです。現在は都会での生活も楽しんでいらっしゃり、カラオケにも行くそうで、十八番は『マイウェイ』だと教えてくれました。
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※会場ではフィンランドならでは料理が振舞われました!

 
とても気さくにいろいろお話しくださったマルック・ポロネン監督ですが、「次回作も構想中だけど、内容はまだ秘密」だそう。その時はまたフィンランド映画祭でお会いできたら嬉しいですとお伝えしました。本当に素晴らしい映画を撮られる監督なので、皆さんも機会があればぜひご覧ください。今から次回作が楽しみです。

 
今回お会いできたご縁を機に、監督がお好きな日本の3作品(『紅の豚』『生きる』『七人の侍』)を観ようと思います。
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翻訳者が監督とお会いできるのは映画祭ならではの醍醐味。翻訳者の皆さん、お疲れ様でした。JVTAはこれからもフィンランド映画祭をサポートしていきます。

 
フィンランド映画祭 公式サイト
http://eiga.ne.jp/finland-film-festival/
※『ランド・オブ・ホープ』は11月15日(金)21時から最後の上映があります。

 
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